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2000.08.01
1. 今期粗鋼、2期連続2600万トン台 通産集計
2. 6月の鉄鋼輸9カ月連続増加…前年比
3. 日鉄物流、八幡船舶が合併…来年1月1日付
4. 新日鉄名古屋支店が2オフィス制
5. 神戸製鋼、日量138トンの流動床炉を受注
6. ハンナン、本社工場を大幅合理化
7. タイSUS、対米輸出に慎重…新日鉄合弁
8. 東京地区の縞鋼板市況強含み横ばい
2. 6月の鉄鋼輸9カ月連続増加…前年比
3. 日鉄物流、八幡船舶が合併…来年1月1日付
4. 新日鉄名古屋支店が2オフィス制
5. 神戸製鋼、日量138トンの流動床炉を受注
6. ハンナン、本社工場を大幅合理化
7. タイSUS、対米輸出に慎重…新日鉄合弁
8. 東京地区の縞鋼板市況強含み横ばい
通
産省は31日、鉄鋼各社からヒアリングした2000年度第2・四半期(7―9月)の鉄鋼生産計画の集計結果を発表した。粗鋼生産は2652万5000トン(前期比19万6000トン、0・7%減、前年同期比235万1000トン、9・7%増)となり、2期連続の2600万トン超で第2・四半期としては97年度以来の2600万トン台乗せとなる。同省が先月末策定した第2・四半期需要見通し2650万トンを2万5000トン、0・1%上回る。減少ながらも輸出が依然高水準を維持しているほか、内需も自動車向けなど薄板3品を中心に増加する。夏季減産から普通鋼電炉が減少するのに対し、鋼板類を主体に高炉が増産、全体量を押し上げる形だ。
今回の生産計画について通産省では、輸出に関しては「高水準を保っているものの、伸び率は低下、ピークは打った」(鉄鋼課)と分析。一方、国内向けについては小棒、H形鋼の条鋼類が減少するのに対して鋼板類は自動車、建築の増加を見込んでプラスを計画した。薄板の伸びが顕著で4%程度増加、国内の鋼板の伸びが電炉の減少などマイナス分を相殺する図式で、「来期以降の生産については、5月末に増えた薄板在庫など在庫状況を考慮し、慎重に見る必要がある」(同)と10月以降の生産をにらんで在庫推移を加味した対応を強調している。
普通鋼鋼材生産は2018万2000トン(前期比12万1000トン、0・6%増)。内訳は国内向け1477万6000トン(同25万トン、1・7%増)、輸出向け540万6000トン(同12万8000トン、2・3%減)。
特殊鋼鋼材生産は390万6000トン(前期比9万6000トン、2・5%増、前年同期比30万3000トン、8・4%増)。内訳は国内向け273万8000トン(前期比2万5000トン、0・9%増)、輸出向け116万8000トン(同7万1000トン、6・5%増)。国内向けは自動車生産の増加を、輸出向けは黒海のガスパイプラインプロジェクトで高抗張力鋼の伸びを見込んでいる。
普通鋼鋼材のうちH形鋼は139万9000トン(前期比12万5000トン、8・2%減、前年同期比5万2000トン、3・6%減)で、国内向けが121万9000トン(前期比7万2000トン、5・6%減)、輸出向けが18万トン(同2万1000トン、10・3%減)。小棒が301万2000トン(前期比7万7000トン、2・5%減、前年同期比3万4000トン、1・1%増)。
奥田真弥・鉄鋼課長の話 「7―9月期は首都圏の再開発プロジェクトなど建設分野や自動車生産と需要は増加傾向にあり、粗鋼生産は2600万トン台半ばとなる。ただ、第2・四半期の生産計画は数字的に問題があるわけではないが、来期からの生産については薄板など在庫の積み上がり状況を考慮し、慎重に見ていく必要があるのではないか」
今回の生産計画について通産省では、輸出に関しては「高水準を保っているものの、伸び率は低下、ピークは打った」(鉄鋼課)と分析。一方、国内向けについては小棒、H形鋼の条鋼類が減少するのに対して鋼板類は自動車、建築の増加を見込んでプラスを計画した。薄板の伸びが顕著で4%程度増加、国内の鋼板の伸びが電炉の減少などマイナス分を相殺する図式で、「来期以降の生産については、5月末に増えた薄板在庫など在庫状況を考慮し、慎重に見る必要がある」(同)と10月以降の生産をにらんで在庫推移を加味した対応を強調している。
普通鋼鋼材生産は2018万2000トン(前期比12万1000トン、0・6%増)。内訳は国内向け1477万6000トン(同25万トン、1・7%増)、輸出向け540万6000トン(同12万8000トン、2・3%減)。
特殊鋼鋼材生産は390万6000トン(前期比9万6000トン、2・5%増、前年同期比30万3000トン、8・4%増)。内訳は国内向け273万8000トン(前期比2万5000トン、0・9%増)、輸出向け116万8000トン(同7万1000トン、6・5%増)。国内向けは自動車生産の増加を、輸出向けは黒海のガスパイプラインプロジェクトで高抗張力鋼の伸びを見込んでいる。
普通鋼鋼材のうちH形鋼は139万9000トン(前期比12万5000トン、8・2%減、前年同期比5万2000トン、3・6%減)で、国内向けが121万9000トン(前期比7万2000トン、5・6%減)、輸出向けが18万トン(同2万1000トン、10・3%減)。小棒が301万2000トン(前期比7万7000トン、2・5%減、前年同期比3万4000トン、1・1%増)。
奥田真弥・鉄鋼課長の話 「7―9月期は首都圏の再開発プロジェクトなど建設分野や自動車生産と需要は増加傾向にあり、粗鋼生産は2600万トン台半ばとなる。ただ、第2・四半期の生産計画は数字的に問題があるわけではないが、来期からの生産については薄板など在庫の積み上がり状況を考慮し、慎重に見ていく必要があるのではないか」
日
本鉄鋼連盟は31日、6月の鉄鋼輸出実績概況をまとめた。それによると、鉄鋼輸出実績(全鉄鋼ベース)は数量が250万5000トン、金額はドルベース14億2355万ドル、円ベース1526億円となった。前月比でみると、数量で1・7%減少ながら金額はドルベース3・5%増、円ベース3・0%増となった。前年同月比では、数量で9カ月連続の増加となる1・9%増、金額はドルベースが20・3%増で9カ月連続となり、円ベースも6・1%増と5カ月連続の増加となった。
普通鋼鋼材は192万3000トン(前年同月比19・5%増)と12カ月連続して前年同月を上回った。内訳をみると、主力の熱延広幅帯鋼69万2000トン(同59・8%増)と12カ月連続の大幅増、また亜鉛めっき鋼板も36万1000トン(同31・2%増)、冷延広幅帯鋼は24万9000トン(同26・0%増)、厚板は11万2000トン(同48・9%増)でいずれも5カ月連続の増加、ブリキは7万トン(同13・9%増)、電気鋼板は5万8000トン(同9・3%増)も増加となった。一方、形鋼は10万2000トン(同4・6%減)、継目無鋼管は5万8000トン(同21・5%減)、溶鍛接鋼管は5万3000トン(同52・4%減)と減少となった。
仕向け先別では、韓国向け52万3000トン(前年同月比25・8%増)と2カ月連続、中国向けは36万2000トン(同41・5%増)と5カ月連続、タイ向けは24万9000トン(同1・8%増)と3カ月連続の増加となった。一方、米国向け20万1000トン(同27・0%減)は1998年12月以降19カ月連続、台湾向け19万1000トン(同33・4%減)も半製品、亜鉛めっき鋼板などの減少により3カ月連続して前年を下回った。
普通鋼鋼材は192万3000トン(前年同月比19・5%増)と12カ月連続して前年同月を上回った。内訳をみると、主力の熱延広幅帯鋼69万2000トン(同59・8%増)と12カ月連続の大幅増、また亜鉛めっき鋼板も36万1000トン(同31・2%増)、冷延広幅帯鋼は24万9000トン(同26・0%増)、厚板は11万2000トン(同48・9%増)でいずれも5カ月連続の増加、ブリキは7万トン(同13・9%増)、電気鋼板は5万8000トン(同9・3%増)も増加となった。一方、形鋼は10万2000トン(同4・6%減)、継目無鋼管は5万8000トン(同21・5%減)、溶鍛接鋼管は5万3000トン(同52・4%減)と減少となった。
仕向け先別では、韓国向け52万3000トン(前年同月比25・8%増)と2カ月連続、中国向けは36万2000トン(同41・5%増)と5カ月連続、タイ向けは24万9000トン(同1・8%増)と3カ月連続の増加となった。一方、米国向け20万1000トン(同27・0%減)は1998年12月以降19カ月連続、台湾向け19万1000トン(同33・4%減)も半製品、亜鉛めっき鋼板などの減少により3カ月連続して前年を下回った。
日
鉄物流(本社=東京都中央区、阿部久社長)と八幡船舶(本社=福岡県北九州市、丸山博司社長)は31日、来年1月1日付で対等合併すると発表した。存続会社は日鉄物流で、八幡船舶は解散する。新会社の社長には阿部・日鉄物流社長、副社長には丸山・八幡船舶社長が就任予定。両社の合併により、内航海運事業の抜本的な競争力強化を図るとともに、新日本製鉄グループの総合一貫物流企業を構築する。
合併新会社は資本金22億3890万円。合併比率は株式割当比率を日鉄物流:八幡船舶=1:0・175(八幡船舶の500円額面株1株につき日鉄物流の50円額面株1・75株を割り当て)とする。従業員約1250人、売り上げ規模は約550億円となる見通し。
日鉄物流は1942年に広畑港運として発足。87年に現社名に改称し、96年東証2部に上場。新日鉄直系の総合物流企業として、海陸一貫の輸送体制や大型プロジェクトの物流などで実績を上げている。八幡船舶は59年に八幡船舶輸送協同組合として発足、78年株式会社に改組。内航海運で発展してきた。
両社の合併により内航輸送部門の効率化を進め、特に需要構造の変化が著しい内航海運部門の競争力強化を図る。まずは君津、名古屋、大阪、姫路(広畑)、大分などで重複する営業拠点の統合を進める。新会社は新日鉄の内航輸送のうち約60−70%を占めると推定され、内航輸送部門での輸送量は約2000万トン、売り上げ規模は約240億円。日鉄物流・海運部門の売上高比率は現在の約30%から約44%に上昇する見通し。
【両社の概要】(従業員数は00年3月末現在、売上高は00年3月期)
▽日鉄物流=資本金21億9515万円。従業員数1114人。7支店3営業所。株主は新日鉄57・3%、従業員持株会7・5%、太平工業4・3%、ジオスター3・2%、日鉄鋼管2・3%など。売上高428億9500万円。
▽八幡船舶=資本金2億5000万円。従業員数144人。4支店4営業所。株主は八幡船舶協業組合80%、新日鉄20%。売上高107億3400万円。
合併新会社は資本金22億3890万円。合併比率は株式割当比率を日鉄物流:八幡船舶=1:0・175(八幡船舶の500円額面株1株につき日鉄物流の50円額面株1・75株を割り当て)とする。従業員約1250人、売り上げ規模は約550億円となる見通し。
日鉄物流は1942年に広畑港運として発足。87年に現社名に改称し、96年東証2部に上場。新日鉄直系の総合物流企業として、海陸一貫の輸送体制や大型プロジェクトの物流などで実績を上げている。八幡船舶は59年に八幡船舶輸送協同組合として発足、78年株式会社に改組。内航海運で発展してきた。
両社の合併により内航輸送部門の効率化を進め、特に需要構造の変化が著しい内航海運部門の競争力強化を図る。まずは君津、名古屋、大阪、姫路(広畑)、大分などで重複する営業拠点の統合を進める。新会社は新日鉄の内航輸送のうち約60−70%を占めると推定され、内航輸送部門での輸送量は約2000万トン、売り上げ規模は約240億円。日鉄物流・海運部門の売上高比率は現在の約30%から約44%に上昇する見通し。
【両社の概要】(従業員数は00年3月末現在、売上高は00年3月期)
▽日鉄物流=資本金21億9515万円。従業員数1114人。7支店3営業所。株主は新日鉄57・3%、従業員持株会7・5%、太平工業4・3%、ジオスター3・2%、日鉄鋼管2・3%など。売上高428億9500万円。
▽八幡船舶=資本金2億5000万円。従業員数144人。4支店4営業所。株主は八幡船舶協業組合80%、新日鉄20%。売上高107億3400万円。
新
日本製鉄名古屋支店(木下洋支店長)は、8月16日から名古屋オフィス(現在の名古屋市中村区・名古屋三井ビル本館18階)と東海オフィス(愛知県東海市・名古屋製鉄所構内本事務所1階)の2オフィスの営業体制を敷く。経費削減、および抜本的な営業体制見直しの一環で、現行オフィスにエンジニアリング事業関連など8グループと中部新空港・愛知万博プロジェクト班を残し、新設する東海オフィスへ名古屋製鉄所に関連の深い薄板・厚板を中心に6グループを移す。
2オフィス体制は、社内外での情報インフラ整備の発展などを背景に、コスト削減をさらに推し進めるため、従来の営業体制の在り方に根本的なメスを入れたもの。製鉄所内に一部とはいえ、営業機能を移す例はこれまでにないが、現在の名古屋支店と名古屋製鉄所が車で30分程度と近距離にあり、また名古屋支店の売上数量の80―90%が名古屋製鉄所製品で、加えて取引先の業種によって名古屋製鉄所内の方が業務の効率化につながることなどから、2オフィス体制とする。ただ名古屋製鉄所内に移す部門に関しても現行の名古屋オフィス内にサテライトオフィスを設け、商談、打ち合わせができる。
新体制による所属グループは、名古屋オフィスが建材・鋼管グループとエンジニアリング事業関連のエネルギー営業、エネルギー工事、環境・水道営業、プラント営業、橋梁・港湾・土木営業、建築営業、建築工事の7グループ、および中部新空港・愛知万博プロジェクト班で、計55人。また東海オフィスは、調整、自動車鋼材、自動車棒線、自動車技術、厚板・ステンレス、薄板の6グループで、計44人。
具体的な効果としては(1)支店経費で相当部分を占めるオフィス賃貸料が約4割削減できる(現在の事務所面積約1000平方メートル)(2)支店・製鉄所の執務場所が隣接することになり、連絡業務の迅速化、またラップする業務を排除できるなど効率化を促進(3)製販一体となった業務体制により営業活動のスピードアップ、サービス向上が期待できる。
引き続き名古屋支店では、関連会社を含めたコスト低減を図るため、名古屋オフィスと共にグループ会社全社が入居できるオフィスを名古屋駅周辺で選定中で、9月中にも決定する予定。
なお東海オフィスの代表番号は052―689―3103。
2オフィス体制は、社内外での情報インフラ整備の発展などを背景に、コスト削減をさらに推し進めるため、従来の営業体制の在り方に根本的なメスを入れたもの。製鉄所内に一部とはいえ、営業機能を移す例はこれまでにないが、現在の名古屋支店と名古屋製鉄所が車で30分程度と近距離にあり、また名古屋支店の売上数量の80―90%が名古屋製鉄所製品で、加えて取引先の業種によって名古屋製鉄所内の方が業務の効率化につながることなどから、2オフィス体制とする。ただ名古屋製鉄所内に移す部門に関しても現行の名古屋オフィス内にサテライトオフィスを設け、商談、打ち合わせができる。
新体制による所属グループは、名古屋オフィスが建材・鋼管グループとエンジニアリング事業関連のエネルギー営業、エネルギー工事、環境・水道営業、プラント営業、橋梁・港湾・土木営業、建築営業、建築工事の7グループ、および中部新空港・愛知万博プロジェクト班で、計55人。また東海オフィスは、調整、自動車鋼材、自動車棒線、自動車技術、厚板・ステンレス、薄板の6グループで、計44人。
具体的な効果としては(1)支店経費で相当部分を占めるオフィス賃貸料が約4割削減できる(現在の事務所面積約1000平方メートル)(2)支店・製鉄所の執務場所が隣接することになり、連絡業務の迅速化、またラップする業務を排除できるなど効率化を促進(3)製販一体となった業務体制により営業活動のスピードアップ、サービス向上が期待できる。
引き続き名古屋支店では、関連会社を含めたコスト低減を図るため、名古屋オフィスと共にグループ会社全社が入居できるオフィスを名古屋駅周辺で選定中で、9月中にも決定する予定。
なお東海オフィスの代表番号は052―689―3103。
神
戸製鋼所は、富山県射水地区広域圏事務組合から日量138トン(46トン炉×3基)の流動床炉を受注した。受注金額は約83億7900万円で、今年10月に着工し、2003年3月竣工予定。同事務組合では、シャフト炉タイプのガス化溶融炉やストーカ炉など5方式を検討、9社が応札したが、最終的に経済性や維持管理面などを考慮し、神鋼の流動床炉に決めた。
射水地区広域圏事務組合は新湊市、小杉町、大門町、大島町、下村の市3町1村で構成される広域圏事務組合。年間2万5000トンの可燃ゴミを、16時間当たり120トンの処理能力を持つタクマ製のストーカ炉で焼却処理していた。
同炉は建設後、18年が経ち更新時期を迎えていたことや、2次燃焼室がないことなどから2002年のダイオキシン規制に対応して、新炉に更新することにした。 神鋼の流動床炉は、コープランド社から技術導入し、81年に千葉県山武郡向けに初号機を受注。その後、着実に実績を積んできた。
97年以降のダイオキシン問題で流動床炉は逆風にさらされたが、神鋼では2次空気供給口のエンジニアリングにより、さらに完全燃焼できる方式に改良、昨年には、加古川市から大型の流動床炉を受注している。
射水地区広域圏事務組合は新湊市、小杉町、大門町、大島町、下村の市3町1村で構成される広域圏事務組合。年間2万5000トンの可燃ゴミを、16時間当たり120トンの処理能力を持つタクマ製のストーカ炉で焼却処理していた。
同炉は建設後、18年が経ち更新時期を迎えていたことや、2次燃焼室がないことなどから2002年のダイオキシン規制に対応して、新炉に更新することにした。 神鋼の流動床炉は、コープランド社から技術導入し、81年に千葉県山武郡向けに初号機を受注。その後、着実に実績を積んできた。
97年以降のダイオキシン問題で流動床炉は逆風にさらされたが、神鋼では2次空気供給口のエンジニアリングにより、さらに完全燃焼できる方式に改良、昨年には、加古川市から大型の流動床炉を受注している。
ハ
ンナン(本社=東大阪市高井田西4―5―7、金井寛也社長)は、今年度中に本社工場の焼鈍炉リプレース・移設など酸洗ラインのレイアウト見直し策を主軸とした大幅な合理計画を実施する。投資金額は約5億円強。具体的にはすでに取得を決めている本社隣接地(約1155平方メートル)へ新工場建屋を建設して新鋭焼鈍炉を導入するとともに、近隣地に分割する形で在する工場ヤードの統合化を図る。
同社は本社工場のほか、長野県松本市にも工場を有しており、ナマシ鉄線や普通鉄線、丸釘などを月間5000トン前後生産している。
焼鈍炉ラインの見直しについては、4、5年ほど前から計画を立案していたが、急きょ隣接地取得の話がきたことで、具体的に進めることとなったもの。
現在、本社工場で稼働している焼鈍炉はポット式炉(ガス炉)8基とポット式炉(重油炉)6基。このうち重油式炉は稼働開始後40年以上経過しことで老朽化が目立ってきているとともに、宅地化の進む周辺環境への影響なども考慮したうえで、ガス式のバッチ炉(大阪ガス製)へリプレースすることを決定したもの。同設備についてはNEDOの支援対策事業としての認定・補助を受けている。
また、新設備導入により、同ラインはほぼ無人化が可能となるとともに、酸洗ラインなど他工程ラインとの連携も改善されることで、運搬面などの効率アップも図れるもの。
今回のリプレースおよび工場レイアウトの大幅な見直しについて、金井社長は「環境面への配慮もさることながら、生産能力に汎用性のある設備を導入することで、ユーザーへの安定供給のためにも必然であると判断した。当社としては将来的にナマシ鉄線の製造へ特化していく意向にあることから、より高品質の製品供給を目指していく」としている。
今後の予定としては、隣接地を正式に取得次第、同所の既存工場および事務所建屋を解体して、新工場建屋の建設に取りかかるとしており、年度内には設備等の設置を終え、来年4月の稼働開始を目指す。
なお、既存ポット炉は新設備の同導入と入れ替えで廃棄処分し、跡地は製品置き場などとして有効活用する。
同社は本社工場のほか、長野県松本市にも工場を有しており、ナマシ鉄線や普通鉄線、丸釘などを月間5000トン前後生産している。
焼鈍炉ラインの見直しについては、4、5年ほど前から計画を立案していたが、急きょ隣接地取得の話がきたことで、具体的に進めることとなったもの。
現在、本社工場で稼働している焼鈍炉はポット式炉(ガス炉)8基とポット式炉(重油炉)6基。このうち重油式炉は稼働開始後40年以上経過しことで老朽化が目立ってきているとともに、宅地化の進む周辺環境への影響なども考慮したうえで、ガス式のバッチ炉(大阪ガス製)へリプレースすることを決定したもの。同設備についてはNEDOの支援対策事業としての認定・補助を受けている。
また、新設備導入により、同ラインはほぼ無人化が可能となるとともに、酸洗ラインなど他工程ラインとの連携も改善されることで、運搬面などの効率アップも図れるもの。
今回のリプレースおよび工場レイアウトの大幅な見直しについて、金井社長は「環境面への配慮もさることながら、生産能力に汎用性のある設備を導入することで、ユーザーへの安定供給のためにも必然であると判断した。当社としては将来的にナマシ鉄線の製造へ特化していく意向にあることから、より高品質の製品供給を目指していく」としている。
今後の予定としては、隣接地を正式に取得次第、同所の既存工場および事務所建屋を解体して、新工場建屋の建設に取りかかるとしており、年度内には設備等の設置を終え、来年4月の稼働開始を目指す。
なお、既存ポット炉は新設備の同導入と入れ替えで廃棄処分し、跡地は製品置き場などとして有効活用する。
タ
イにおける新日本製鉄の合弁冷延鋼板事業サイアム・ユナイテッド・スチール社(略称SUS)の荒勝彦社長(新日鉄参与)がこのほど一時帰国し「今年度の生産計画55万トンは達成できる。内需の本格回復には遠い。当面は対米輸出を見送る」など現状と見通しを本紙に語った。
荒社長は焦点の米国向けについて(1)市場調査のため訪米もしたが、冷延鋼板の実需は引き続き堅調(2)だが米国際貿易委員会(ITC)がダンピングはシロとの最終裁定を下したことにより日本以外からの輸入が増え、需給が緩んでいる(3)ストッキストやインポーターは金利上昇も絡んで先行きに警戒感を強め、在庫負担の軽減を図り、新規買い付けに慎重になっている―背景を説明、当面は輸出ネゴをしない考えを示した。
また、材料ホットコイルをトン30ドルのフレート・諸チャージをかけて輸入し、再度30ドルかけて製品を輸出する「単圧リロールの構造」に触れ、「安値で荒らされた場合の当方の立場を思うと無理な輸出計画は組めない」と話した。
むしろ「薄物、圧倒的に高い寸法精度という特性を評価してくれる需要家を大事にしていく」という。従ってタイ国内需要優先、輸出はインドネシア、ベトナム、バングラデシュを中心に15万―20万トンに抑え増やす予定はない。
タイ経済の現況については(1)大底を打ったことは確かだが、日本で伝えられるほど良くはない(2)今年の国内総生産(GDP)は4%予想で大半は輸出依存(3)日系メーカーは現地支援のため日本国内の生産をシフトしている(4)自動車、家電を柱にタイ国内での実需回復が待たれる―との見解。
最後に荒社長は「世界も日本経済も激しく動いている。少しでも目を離すと付いていけなくなる」と最近の感想を述べた。
荒社長は焦点の米国向けについて(1)市場調査のため訪米もしたが、冷延鋼板の実需は引き続き堅調(2)だが米国際貿易委員会(ITC)がダンピングはシロとの最終裁定を下したことにより日本以外からの輸入が増え、需給が緩んでいる(3)ストッキストやインポーターは金利上昇も絡んで先行きに警戒感を強め、在庫負担の軽減を図り、新規買い付けに慎重になっている―背景を説明、当面は輸出ネゴをしない考えを示した。
また、材料ホットコイルをトン30ドルのフレート・諸チャージをかけて輸入し、再度30ドルかけて製品を輸出する「単圧リロールの構造」に触れ、「安値で荒らされた場合の当方の立場を思うと無理な輸出計画は組めない」と話した。
むしろ「薄物、圧倒的に高い寸法精度という特性を評価してくれる需要家を大事にしていく」という。従ってタイ国内需要優先、輸出はインドネシア、ベトナム、バングラデシュを中心に15万―20万トンに抑え増やす予定はない。
タイ経済の現況については(1)大底を打ったことは確かだが、日本で伝えられるほど良くはない(2)今年の国内総生産(GDP)は4%予想で大半は輸出依存(3)日系メーカーは現地支援のため日本国内の生産をシフトしている(4)自動車、家電を柱にタイ国内での実需回復が待たれる―との見解。
最後に荒社長は「世界も日本経済も激しく動いている。少しでも目を離すと付いていけなくなる」と最近の感想を述べた。
東
京地区の縞板(4・5ミリ、ベースサイズ)市況は5万6000―5万7000円どころ中心で強含み横ばい。
荷動きは7月以降は落ち着き気味で一時のひっ迫感が薄れた。とはいえ、細かい仕事を中心に「注文はそれなりに入っている」(扱い筋)ため、市況も高値と安値があるものの堅調に推移している。
関東地区の建築物件は大型プロジェクト関連に期待が集まるが、発注は遅れている。中でも縞板の注文は、H形鋼など主柱に比べると一番最後になる傾向。波及効果は秋以降にずれ込むとの見通し。
扱い筋ではメーカーの値上げを転嫁して約3000円の値上げに結びつけた。ただ、一部2000円までの値上げで止まる場合もある。細かい仕事が多い分、「特約店段階では本来、さらに2000円ほど値上げしたい」(扱い筋)のが本音だが、中板などの後押しがなく難しい。
荷動きは7月以降は落ち着き気味で一時のひっ迫感が薄れた。とはいえ、細かい仕事を中心に「注文はそれなりに入っている」(扱い筋)ため、市況も高値と安値があるものの堅調に推移している。
関東地区の建築物件は大型プロジェクト関連に期待が集まるが、発注は遅れている。中でも縞板の注文は、H形鋼など主柱に比べると一番最後になる傾向。波及効果は秋以降にずれ込むとの見通し。
扱い筋ではメーカーの値上げを転嫁して約3000円の値上げに結びつけた。ただ、一部2000円までの値上げで止まる場合もある。細かい仕事が多い分、「特約店段階では本来、さらに2000円ほど値上げしたい」(扱い筋)のが本音だが、中板などの後押しがなく難しい。