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2004年05月28日
神戸製鋼所の中山裕之・専務執行役員(アルミ・銅カンパニープレジデント)は27日、記者会見を行い、前期決算概況と今期の見通し、当面の経営方針などについて明らかにした。それによると、今期は軽圧品、伸銅品とも前年の販売量を上回り、好調さが持続する見込み。これにより、同社が掲げる中期計画最終年度の来期に向け、業績は着実に好転。「(アルミ・銅カンパニーの)計画を上方修正するほどではないが、下回ることもない」(中山専務)とし、各種コストダウンやロールマージンアップの取り組みなども奏功し、中計完遂に自信を示した。
日本伸銅協会が27日発表した4月の伸銅品生産(速報)は、9万1090トンと前年同月に比べて5・7%増加し、7カ月連続で前年実績を上回った。需要は引き続き自動車、デジタル家電向けが好調に推移し、リン青銅板条は3年4カ月ぶりに5000トン台に突入した。一方、黄銅棒は前年比横ばいながら9カ月連続プラス。銅管はアウトインの進展を背景に、再び前年割れとなった。
錫のLME相場が前日比295ドル高の1万50ドル(セツルメント)と急伸し、89年7月以来となる1万ドルの大台に乗せた。需給タイト化が主な要因。今年の世界需給は2万トンの供給不足となる見通しで、鉱石産出国は増産の意向を示しているものの、早急にこの需給環境が改善されるめどは立っていない。年内はこのひっ迫状況下で、相場の高値圏推移が続く可能性が高い。