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2004年05月20日
大手製錬8社の2004年3月期決算が出そろった。買鉱条件の悪化という原料事情から金属部門では苦戦した場面があったものの、一段のコスト低減化や、堅調が続くデジタル家電向け需要を背景に金属加工、電子材料部門が増収増益傾向をたどったことをテコに、収益改善を実現、経常ベースで過去最高益を計上するケースも散見された。また、2期連続して最終赤字を克服できなかった場合でも解消のめどをつけて復配するところもあり、一段の事業再編など課題を残しながらも業績復調の流れが明確になってきた。
三菱伸銅は19日、04年3月期連結決算を発表した。それによると売上高は上期の販売不振が影響し、前期比1・7%減の349億5100万円、営業利益は同1・6%減の25億2500万円、経常利益は同0・9%増の19億2800万円、当期利益は同75・7%増の4億8800万円となった。単独では増収減益となり、配当金は4円に増配した。
産銅建値が再び反落した。日鉱金属が19日、5月積みについてトン当たり1万円引き下げて35万円に改定したもので、先週14日に36万円に上伸してから最短営業日(中2日)での下落となり、改定は今月明けからすでに3回目。いずれも最短で35―36万円で上下動を繰り返しているが、この日段階では計算上、34万円への下げ余地も残し、こうした上下動の後、市場関係者では底割れに向かうことへの懸念を強めている。