2000.02.25
白 銅(本社=東京都中央区八丁堀、資本金6億2700万円、山田悦弘社長、従業員199人)は、既報の通り株式を日本証券業協会に店頭公開する。伸銅・軽圧品問屋としては初めての上場だけに、関係者は同社の「高収益性」に注目している。1800円から2000円(額面50円)の間で公開価格が近く決定される予定で、3月9日に「初値」がいくらにつくのか、関心が集まっている。

 同社は上場に際し、証券取引法に基づき2月4日付で「新株発行並びに株式売出届出書」を関東財務局長に提出した。

 同届出書に基づく目論見書によると、まず、過去5年間の業績推移(概数)は、95年217億円(経常利益17億円、以下同)、96年254億円(21億円)、97年258億円(26億円)、98年285億円(28億円)、99年221億円(17億円)で、2000年3月期中間決算で105億円(11億円)。

 つまり同社のここ数年間の売上高に占める経常利益率は8%から10%の高収益性を継続してきた。

 また、1株当たりの配当金額は75円(95年)、旧株140円・新株31円(96年)、旧株170円・新株29円(97年)、98年185円、99年130円で、2000年3月期は40円の見通し。

 目論見書によると、同社の配当政策は「最重点経営方針である生産財の『コンビニエンス・ディーラー』(便利配達人)を推進して業績の向上を努力するとともに、株主への利益配当を安定かつ継続的に実施していくことを基本方針とする」と強調。同方針に則り、同社は「業績に対応して積極的に利益還元」を目指している。そして99年度上期からスタートしている「全品全売プロジェクト」のデータベース構築にかかわるシステム開発などに積極的に投資する、としている。

 同社の事業内容は、金属事業部門が99%で、このうち、99年9月期は標準品54・6%、特注品44・4%。最も比率が高いのはアルミで標準品の37・6%と特注品の29・3%を合算すると、66・9%を占める。次いで伸銅が標準品9・3%、特注品10・7%の合計20%、ステレンレスが標準品7・3%、特注品2・4%の合計9・7%。金属以外の不動産事業部門は1%。

秋 田製錬(本社=秋田市飯島、山田富三社長)は、来年度の亜鉛地金生産をフル操業の年19万6000トン(99年度は19万1000トン)とする計画を決定した。また、今年度は経常利益2億5000万円が見込まれるため、株主の製錬各社から来年度の受託加工費(現行トン当たり4万1000円)値下げ要請も予想されたが、電力代が値上がりしてコストアップするので据え置きとした。

 同社は、昨年10月に亜鉛地金の生産能力を1万トン増の年19万6000トン体制に増強。今年度は下期の生産量を合計9万8000トンと上期の同9万3000トンより5000トン増やし、通期で19万1000トンと、計画通りの生産量を見込んでいる。

 来年度上期は炉修を予定しているため、生産量は月平均1万5100トンの合計9万600トン、下期は同1万7566トンの同10万5400トンとし、通期で前期比3%増の19万6000トンの計画とした。また、販売も同生産に見合う月1万6333トンを計画している。

 今3月期は順調な操業により黒字基調を継続、経常利益は2億5000万円の見通し。このため、現在トン当たり4万1000円の水準にある受託加工費を値下げする余地が出てくるが、原油価格の上昇によって電力料金の値上がりが予想されるため、同加工費の据え置きを決めている。なお、来年度の設備投資は維持補修を中心に5億4000万円の計画。

日 本電線工業会は24日、1月の電線受注・出荷速報を発表した。それによると、銅電線の受注は前年同月比8・8%減の6万9200トンと3カ月ぶりに減少、出荷は同4・0%減の7万400トンと5カ月連続で減少した。

 昨年12月の受注実績は前年同月に比べ内需0・9%減、輸出75・2%増、合計2・2%増の7万6753トン。1月速報は電気機械、建設・電販、輸出の3部門は増加したものの、通信、電力向けを中心に大幅に減少した。

 一方、11月の出荷実績は内需2・9%減、輸出0・3%減、合計2・8%減の7万4709トン。1月速報は電気機械、建設・電販、輸出の3部門が増加したが、通信、電力向けが大幅に落ち込んだ。

日 本電線工業会が24日発表した99暦年の電線受注・出荷実績によると、銅電線の受注は前年比2・6%減の90万4400トンと3年連続で減少、出荷も同5・1%減の95万608トンと2年連続で減少した。

 受注は、輸出が5万1081トンと10・9%増加したが、内需は85万3319トンと3・3%落ち込んだ。内需は自動車向けが3・7%伸びたほか、各部門とも減少した。

 出荷は内需85万8347トンと4・7%減、輸出4万4154トンと10・9%減。内需は自動車向けが軽自動車の規格変更に伴い4・2%増加したが、ほかはいずれも設備投資の低迷などにより減少した。

パ ラジウム相場の暴騰から新規売買が停止されるなど取引が混乱している東工取のパラジウム市場に、今度は値幅制限ゼロの適用により値動きを固定化させるという非常手段が24日からとられた。また、きょう25日には新たな限月として2001年2月限が発会するが、同取引所は既存限月への措置に基づき、新ポ限月には極めて高額の臨時増証を課し、新規売買を事実上、不可能にする方針。

 これらの措置は23日の臨時市場管理委員会および理事会で決定されたものだが、これによりパラジウム市場は価格形成機能を一定期間、失うことになる。

 既存限月に対する値幅制限ゼロの措置は、東工取が事前に通産省と協議し決定。このため市場は24日から一定期間、23日の終値に固定される。取引所が決めた建玉制限を超えるケースが出たことから、該当玉を近日中に強制手仕舞いさせることにより、一定量の仕切売買が成立する。ただ、既存取り組みが同措置によりどの程度解けるか、見通しはつかないのが現状。

 24日入電の海外相場が急落したとはいえ、これまでの上げ幅を東工取のパラジウム相場はまだ織り込んでいない。また同日の2月限納会値に比較しても、終値を固定した限月は上値余地を残している。

 このため大手商社を主体にした買い方には居座りの余地があり、逆に売り方は暴騰する国際相場もいずれ天井を打って反動安となるとの思惑を捨て切れず、値動きを固定された以上は当面、新たな追証負担を強いられることはなくなり、居座りを許すことになる。

 今回の措置はどのような状況の改善があったところでこれを解除して市場の正常化を目指すかが大きな問題であり、パラジウム相場の暴騰騒動による市場の混乱は今回の緊急措置でも「一時的な休戦状態」にとどまり、市場正常化への道程は極めて険しいといえる。

日 鉱金属の坂本卓社長は22日、記者会見したがその中で、三井金属と同和鉱業との銅製錬事業の3社提携について「具体化にはもうしばらくかかるが、資源交渉の共同については間もなくできるようになるであろう」と語った。また、金属加工については韓国の豊山金属でOEMを開始、99年1000トン、2002年8500トンを予定していることを明らかにした。

 【3社提携】
 3社の間に日本の銅製錬業について危機意識や問題意識で温度差があったが、23日の社長会で意識がそろった。共同事業の具体化についてはもうしばらく時間をもらいたい。

 共同事業は公正取引委員会との調整もあるが、銅と硫酸を対象共同で事業会社を作るのと同じ効果を狙っている。

 鉱石調達のための共同交渉、鉱石輸送の合理化、鉱石融通――などは早く実現する。販売分野は公正取引委員会との関係で遅れている。

 【金属加工】
 金属加工は製錬部門を超える収益を上げている。36年に倉見工場が稼働して以来最高の成績である。汎用品から高付加価値品に切り替えて、歩留まりの改善、繰返工程の削減、TPM活動などの成果が上がったことによる。しかし、まだ改善の余地がある。

 リン青銅と702合金が伸びて、IT(通信技術)の進展によってアンバー(デイスプレー用シャドーマスク)が脚光を浴びた。部品の小型化に伴って材料を薄くする方向にある。これによって高いマージンをとることができる。ただ、生産コストが高くなるので、コストの削減と寸法精度の向上を図る。

 薄肉化したアンバーを拡大する。小形リードフレーム用に702合金が急増している。ジルコニウム合金のNK120も増えている。韓国の豊山メタルでのOEM(委託生産)がスタートしたが、特種鋼(ステンレスの条)と黄銅の伸銅品で、2000年は1100トン、2002年は8500トンの生産を予定している。

自 民党の鈴木恒夫衆院議員は、22日に開催された市民団体主催のシンポジウムの席上、今通常国会で成立が目指されている循環型社会基本法案(仮称)について、「3月10日の閣議決定、同17日の法案提出というデッドラインが決まっている」として、与党間の調整が大詰めを迎えていることを明らかにした。

 同法は、容器リサイクル法、家電リサイクル法、建設廃棄物リサイクル法などの個別法を包括する基本法で、初めて「拡大生産者責任」の概念が盛り込まれる見込み。

 与党では公明党が昨秋、目標達成期限を設け、実効性、生産者責任の明確化を機軸に、廃棄物に限らない効率的なエネルギー利用までも包含した案を公表したが、生産者責任のあり方について産業界、また自民党内に波紋を呼んだ経緯がある。

 「デッドライン」ということに関しては、来年の環境省発足に合わせたい意向もあり、与党では調整を急いでいる。ただ、同じシンポジウムに参加した公明党の田端正広衆院議員は、「来週半ばに政府案の概要が固まる」との見通しを語ったが、環境庁がたたき台を作った政府素案に対しては「省庁の垣根を超えた議員立法が適切」として、自民党とのスタンスの違いもにじませた。

 期限を念頭に置いた与党の取り組みには、「拙速過ぎる」との声も市民団体や学識者の中にはあるが、法案が成立に向けて大詰めを迎えているのは事実。果たして与党間調整でどのような内容に落ち着くのか注目される。

奥 村金属(本社=大阪市浪速区桜川2―6―5、中川隆司社長)は、環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14000」を2月23日付で近畿地区4サイト(本社、栗東事業所、尼崎事業所、春日工場)で一括認証取得した。

 範囲は非鉄金属の加工、販売および家庭電化製品の部品の製造。認証機関は日本環境認証機構。